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デニスコーネル・インタビュー
3.

TQR: あなたのアンプは、どこの国でも使える様、プライマリー・タップ(Primary Tap)を備えていますか?

僕が使っているトランスフォーマーはすべて2個の115ボルトのプライマリー・タップを使っている。イングランドでは、つなげて230で、アメリカでは115のパラレルで使用できる。

TQR:アメリカから注文が入った場合、アンプを製作し実際に出荷するまでにどのくらいの納期がかかりますか?

現在は、カスタムアンプの場合、最初に仕様が決まってから、だいたい10−12週間で製作できるが、もっと長くかかることもある。それは、顧客の要求内容によってかわるんだ。
WEBに載っているアンプについては、通常在庫がある。もし在庫がない場合は、最長で6〜8週間ほどかかる。

TQR: Plexiアンプは、シンプルであらゆる点において優れていると思いますが。

ありがとう。僕らは、プレキシ20(Plexi20)の復刻版で、今プレキシ40/50(Plexi40/50)を作っている。クラシックギターやアンプのディーラをしているゲイリー・ウィンターフラッド(Gary Winterflood)が率いるギター・アベニュー(Guitar Avenue)という会社に委託されたものだ。
ゲイリーのことは何年も前から知っていた。なぜなら、彼はヴォックス(Vox)、マーシャル(Marshall)、ウェム(WEM)、セルマー(Selmer)といった著名なアンプをよく持ってきていたんだ。そして僕はそれらをいつも修理していた。
昔のプレキシはほとんど市場に出回っていなくて、手に入れることができなかったので、復刻版を作ろうということになったんだ。僕は作ったことには作ったんだが、100%同じものを作ったわけではない。僕らは、ベストトーンのものを探して、マーシャル(Marshall)やプレキシ(Plexi)などあらゆる種類のビンテージアンプを何ヶ月もかけてテストした。当時は、今とは別のパーツを使っていて、パーツが変わるとトーンに影響がある。僕らは、デザインだけを変更したのではなく、最高の部品を使うことに決めた。こうしてできたプレキシ20(Plexi20)とプレキシ45/50(Plexi 45/5)は、ギター・アベニューで購入できる。ビンテージギターマガジンに広告がのっているので、ぜひ見てほしい。

TQR:あなたは将来的にはどんなことをしたいか聞かせてください。

僕は今2人従業員がいるが、資金繰りやら日々の問題なんかが山積で、自分自身でやりすぎているところがあって、なかなか仕事を譲渡できていない状況だ。将来的には、もっとゆっくり時間をとって、何年間もいろいろ考えてきた自分自身のアイデアをもとにアンプを作りたい。
それは、チューブコンプレッサーのシンプルなアンプで、ゲインステージの1部としてトランスフォーマを使い、チューブのアウトプットステージを直接スピーカーへつなげる。もっとおもしろいアイデアがいっぱい頭の中をめぐっているんだけどね。
TQR:トーンへの探究心はつきることがないのですか?
答えはノーだね。なぜなら、トーンはギタリストが生み出すものからだ。彼らが年をとって、インスピレーションや大事と思うものが変わったら、トーンもかわるんだ。僕は、個人個人に100%満足のいくアンプをデザインできる自信があるが、まだ5年くらいしかやっていないから、きっと今後いろいろ変わることだろう。そしてまた違ったトーンを追求することになるんだ。
The Cornell Plexi 45/50

我々は、コーネル(Cornell)のディストリビュータであるゲイリー・ウィンターフラッド(Gary Winterflood)から、シリアルナンバー0001のすばらしいプレキシ45/50(Plexi 45/50)のプロトタイプを受け取った。
プレキシ45/50は、トグルスイッチでアクセスできる2枚の回路があることと微妙に違った2種類のトーンを作り出すことが特徴で、それは、オリジナルのチューブレクティファイドプレキシ45Wのサウンドか、後になって発売された小型ヘッドのダイオードレクティファイドプレキシ50Wのサウンドである。 このことから、45/50という名前がついたのだ。デニス・コーネル(Denis Cornell)は、45/50アンプにロウとハイの電源スイッチを搭載したが、それが結果的にすばらしいことに驚かされた。我々の経験では、ハーフパワーやペントード・トリオードなどの設計にはがっかりすることがある。ロウパワー設定では、パンチや威力にかけることが多い。大きいアンプは、一般的にローパワーで小さいアンプのような音を出すことができないのだ。しかし、プレキシはちがう。キャラクターはローパワーでもさほど変わらないのだ。それは、トーンを損なわずに、単にボリュームだけが小さくなる。クラシックのマーシャルオーバードライブのトーンには、ローパワーの機能は大変便利だった。それは、Plexiに2機種のカスタムアンプを1機種に凝縮したばかりでなく、ローパワーでもトーンを損なわないと言う新たな特質も加えたことになる。
フロントパネルのレイアウトコントロールは、クラシックの2チャンネルのマーシャルに45Wもしくは50Wの回路のトグルスイッチを付け加えた感じだ。チューブは、伝統的なEL34’sもしくはKT66’sと3個の12AX7’sだ。

プレキシの評価をするにあたって、我々が基本にしたのは、1969年製ビンテージもののマーシャル50W(Marshall 50W)だ。さまざまなギターを使って、69‘のマーシャルと45Wおよび50Wのプレキシを繰り返し比べてみた。45Wのプレキシは、より透明感のあるクリーンなトーンを作り出し、50Wでは、エッジキャラクターがかためだ。どちらも、プレキシのディストーションキャラクターは、並外れてスムースで、流れるような丸みのある音で、トーンのコントロールは、どこに合せてもで完璧な効果を得られる。ほとんどの現代アンプやリメイクもののトーンコントロールは、7くらいにすると壁をたたくような音になってしまうだろう。プレキシのような、ハンドメイドのクラシックデザインのチューブアンプは、トーンポットまで完璧である。
69’(この年は業界最高の年だった)の小型ヘッド50Wと比較すると、プレキシは、すこし洗練されすぎた文化的な音がするかもしれない。しかし、その威厳を保ったままで粗っぽいサウンドを出すことも容易にできる。(オリジナルのアービター・サウンド・シティは、臆することなく粗っぽい音をだすのだが)
しつこいようだが、プレキシのトーンは、69年製に比べると多少スムースで、シャープさに欠けるが、おそらく、E弦をならすとき、もしくはコードをかき鳴らすときに、良さが分かるだろう。
プレキシは、ハイゲインを作り出すアンプではないが、洗練された耳をもつギタリストならばどんなギターでも使えることに喜びを感じるはずだ。プレキシ20Wのように、プレキシ45/50は、オリジナルの回路に微妙な変化を加えてクラシックマーシャルのようなサウンドをつくりあげ、確かに聞き分けることのできるありがたい改良が付け加えられているのである。

プレキシアンプの構造品質や美しい外観は、スバ抜けている。すばらしいワイヤリング、シャーシ、イギリスのメジェスティックスという同じ名前の会社だが、昔のマジェスティックス(Majesti)に匹敵するトランスフォーマを採用し、そして大変美しい深い深い緑色の昔なつかしいカバーで覆われ、金色の金具と前後についたPlexiのロゴパネルがみごとだに調和している。キャビネットは、後ろ側にいたるまで、ファインファニチャーのように精密につくられている。
我々は、デニス・コーネル(Denis Cornell)のプレキシアンプがとても気に入った。ひとつだけ残念だったのは、彼が製作したWEBに乗っているほかのアンプを試聴できなかったことだ。エリックアンプを含めデニスのカスタムワークについて質問があれば、ぜひ彼に連絡してほしい。彼いわく、“お誂えのアンプ”を作るビジネスをしているのだから。
今後も彼の活躍に期待するとしよう!


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